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2011年3月に関東で被曝しました。
被曝者として放射能に関する情報や思うところを書き留めます。

2013年11月3日日曜日

民主主義が試されている。山本太郎、天皇直訴の意味

前回の続き

常々、陛下の言葉の端々から、被災地と被災者に寄り添う気持ちを感じ取ってきた私はもともと、心の奥底で何か待っていたのだろう。

山本太郎が天皇に直訴した時、一瞬、ある期待をした。

天皇が一言、「なるべく子供達に被曝させたくはないですよね」と言えば、なにかが変わるかもしれないと。

そして期待してしまった己を恥じた。

天皇に何かを期待する事、それは民主主義の敗北を意味する。

震災から三年近く、この国はどのような行動をとってきたか。

http://www.reconstruction.go.jp/topics/shiryo3.pdf
黄色が年間20ミリ以上のエリア。
国が避難させる場所。

水色が年間5ミリ以上のエリア。
放射線管理区域が年間5.2ミリ以上なのでだいたいそのくらいだ。
避難させない地域。子供から大人まで日常生活を送る地域。

一方で原発労働者の白血病の労災認定基準は年5ミリ以上被曝だ。
http://www.asahi.com/national/update/0805/TKY201308040236.html

原発労働者だったら白血病労災認定される場所に、三年近くどれだけの子供達が過ごしてるか。

なお、ガラスバッジの測定結果を示して「年間20ミリシーベルトよりはるかに低い」という人がいるが、ガラスバッジの計測値は空間線量よりもかなり低く出る傾向がある。
http://togetter.com/li/562795
>トリックは、3割引きの実効線量と自然放射線を引いた追加被ばくにあった。芝生の上で毎時0.8マイクロを超えない限り、追加被ばくが年1ミリを超えることがない仕組みだ。 http://togetter.com/li/561415
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-614.html
>ガラスバッジが示す実効線量は芝生実測値の5分の1
>実効線量は仮想的な数値であって実測できない。適当な仮定を置いて、実測値から計算して出す。したがって、そこで採用する仮定に政治が入り込む隙がある。実効線量は科学のようにみえるが、科学だけではない。

また政府よりの人は言う。「健康被害が出てないじゃないか」
出てない、ということはつまりデータとして上がってきていない、というそれだけのことだ。健康被害がデータとして有意に増加するまで待たなければいけないのか。

「健康被害が出るまで放置」

これが民主主義国家である日本の下した結論である。

市民運動から出てきた山本太郎、民主主義の象徴のような山本太郎は、その中心に居て既に気付いてしまったのかもしれない。

「民主主義に頼っていてはもう、間に合わない。
この国は健康被害が出るまで放置するつもりだ。
健康被害が出てからはじめて驚いたふりでもして対策をし始めるだろう
それでは遅過ぎる」と

山本太郎が我々に突きつけた問題は重い。

果たしてたとえば天皇を動かすこと以外で、「健康被害が出るまで待つ」の現状を変えることができるのだろうか?という問題である。

だがもちろん、日本の民主主義を敗北させるわけにいかない。

もう時間が無い。三年近く我々は子供達を放置してしまった。

せめて公費による保養の義務化くらいはできないものか?
ベラルーシで行われているのは「保養」だ。
放射線によって破壊された遺伝子は、放射線の低いところにいけば回復するそうだ。定期的に遺伝子を休ませることで、発ガンなどを防ぐとができるという。

日本人はいまだそれすらしていない。
まだ健康被害が出ていないから(データ化されていないから)だ。
健康被害が出るまで放置。それが民主主義国、日本の下した結論なのだ。

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