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2011年3月に関東で被曝しました。
被曝者として放射能に関する情報や思うところを書き留めます。

2012年1月30日月曜日

被害想定が避難の足かせになったとしたら、ハザードマップや予想波高の広報はやめるべきです



小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1312?page=4

釜石の奇跡(上)群馬大院教授・片田敏孝

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110628/dst11062804020001-n1.htm

「釜石の奇跡」の話、震災直後に話題になりましたよね。
釜石市では、1,060人が津波や震災で亡くなりましたが、小学生1927人、中学生999人の命が助かり、小中学生の死者は5人。
生存率は99.8パーセントでした。 
それはすべて、学校での教育の賜物でした。片田教授の防災教育のおかげで多くの子供達が助かったのです。

今、あらためて釜石の奇跡の話を読んで、私は涙を流しました。
片田教授は、こんなことをおっしゃっています。

自然現象は人間の意思など無視して迫ってきます。子供たちには「ハザードマップを信じるな」とあえて逆説的なことをいって「地震、即避難」を徹底していました。ある小学校では、全員が避難を完了してから大津波警報を聞いています。犠牲者は逃げなかったか、逃げ遅れたから亡くなった。これは厳然たる事実。被害想定が避難の足かせになったとしたら、ハザードマップや予想波高の広報はやめるべきです。どのような情報であれ、人は都合のいいように解釈してしまう傾向があります。

釜石の死者・行方不明者の65%がハザードマップ(被害想定図)の浸水想定区域だったそうです。

私はこれは、放射能災害にも当てはまると思います。

「100ミリシーベルト未満の被曝では病気にならない」

この、山下先生など御用学者の「被害想定」が、被曝からの避難(居住の移動のみならず、マスクの着用、食品を選ぶことなど)の足かせになってはいないでしょうか?

私の母の実家は鹿児島なのですが、桜島には「科学不信の碑」と呼ばれる碑があります。

かつで桜島が大爆発したとき、その数日前に前兆らしきものがあったそうです。
住民達はもうすぐ爆発するのではないかと噂しましたが、当時の気象庁にあたる役所は、「心配するな、桜島は爆発しない。科学的に見て爆発は無い」と言ったそうです。
桜島には二つ村があり、片方の村は気象庁の言葉を信じて避難をせず、片方の村は自分たちの直感を信じて避難しました。
そして結果は、大爆発。
気象庁の言葉を信じた村の人たちには多大な被害が出て、いち早く逃げ出した住人たちは被害を免れました。

これは片田教授と同じ事を教訓として言っていますね。
また、早川教授も子供達に「大人を信じては行けない」と言っていました。

自然災害において、科学は時に足かせになる。そういうことをしみじみと感じました。